【2025年最新】メモリ・SSD価格高騰は「2028年」まで続く? AIとエンタープライズSSDが主導する「スーパーサイクル」の正体

自作PCユーザーやガジェット好きにとって、2025年後半は試練の時期が続いています。 「SSDの価格が下がらないどころか、毎月のように上がっている」 「メモリを増設したいけれど、いつが買い時なのか全く見えない」

そう感じている方は多いはずです。残念ながら、これは一時的な需給のブレではありません。半導体市場における**「スーパーサイクル(超長期的な好況)」**という、構造的な変化が起きている可能性が高いのです。

今回は、2025年12月に発表された最新レポートなどを基に、なぜこれほど価格が上がっているのか、そして**「この高騰はいつまで続くのか」**について解説します。

1. 衝撃の予測:価格上昇トレンドは「2028年」まで続く可能性

まず、最も気になる「いつまで高いのか?」という点についてです。

半導体市場調査会社TrendForceの2025年12月2日のレポートによると、現在のメモリ価格の上昇傾向(ラリー)は一時的なものではなく、2028年以降まで長期化する可能性があると報じられています。

これまでPCパーツ市場には「待っていれば安くなる」というサイクルがありましたが、今回はその常識が通用しないかもしれません。メーカー側が供給量を意図的にコントロールし、価格維持を図るフェーズに入っているためです。

2. なぜ下がらない? 高騰を招いた2つの「ボトルネック」

価格が高止まりしている背景には、メーカーの戦略転換と、物理的な生産リソースの奪い合いがあります。

① 「シェア」より「利益」を優先するメーカー

SamsungやSK Hynixなどの主要メーカーは、過去の市況悪化(2023年頃の暴落)の反省から、生産能力の拡大(CAPEX:設備投資)に極めて慎重です。無理に工場を拡張して価格を下げるよりも、供給を絞ってでも高い利益率を確保する戦略を徹底しています。

② 「AI」が一般向けリソースを食いつぶしている

ここが最大のポイントです。PC用メモリ(DRAM)とSSD(NAND)、それぞれに「AI」による強烈な負荷がかかっています。

SSDへの影響(エンタープライズ需要): AI学習データを入れるための「エンタープライズSSD(サーバー向け)」の需要が爆発しています。一般向けSSDよりも優先して高品質なNANDチップがサーバー用に回されるため、市場に出回る数が減っているのです。

メモリへの影響(HBMの優先): メーカーの最優先事項は、AIチップ(GPU)に搭載される**「HBM(高帯域幅メモリ)」**の生産です。利益率が極めて高いHBMを作るために製造ラインが割かれ、私たちが使うDDR5メモリなどの生産枠が圧迫されています。

3. 「スーパーサイクル」の到来

この状況を、Investing.comなどのビジネスメディアは**「スーパーサイクル」**と呼んでいます。 通常の景気循環(数年単位の波)を超えた、長期間にわたる強力な成長・高騰局面です。

今回の主役は間違いなく**「AI」です。AI特需が続く限り、メーカーは強気の価格設定を崩しません。つまり、私たち一般消費者にとっては「今の高値」が「ニューノーマル(新常態)」になる**可能性が高いのです。

4. コンシューマ市場への波及

Tom’s Hardwareなどのテック系メディアは、2024年時点からこの企業向け需要による一般市場への悪影響に警鐘を鳴らしていましたが、その予測は現実のものとなりました。 企業のサーバー需要が最優先される現状では、PC向けパーツの劇的な価格下落は当面見込めない状況です。

結論:今は「待ち」か「買い」か

出典元のレポートが示唆する「2028年まで続く可能性」を考慮すると、短期間での値下がりを期待するのはギャンブルに近いと言えます。

「安くなったら買おう」と待っている間に、さらに価格が上がってしまうリスクも否定できません。PCの増設やストレージの換装を必要としているなら、**「必要だと思った今が、これからの最安値かもしれない」**と割り切って確保しておくのが、現時点での防衛策と言えそうです。


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本記事は以下の信頼できるニュース記事・調査レポートを参考に執筆しました。


※本記事は市場予測に基づく分析であり、将来の価格を保証するものではありません。購入の判断はご自身の責任で行ってください。