Chromeが200GB超!?ServiceWorkerによるストレージ肥大化の正体

はじめに

最近、PCのストレージ容量が急に逼迫したと感じたことはありませんか?
実は、ChromeのServiceWorker(サービスワーカー)が原因となって、気づかぬうちに100GB以上のキャッシュデータを溜め込んでいることがあります。

本記事では、ServiceWorkerの役割から、そのストレージ肥大化の仕組み、そして実践的な対策方法までを解説します。


ServiceWorkerとは何か?

ServiceWorkerは、Webサイトがブラウザ上で高度な機能を実現するための仕組みのひとつです。
特に以下のような用途で活用されます:

  • オフライン対応(ネットが切れても動作)
  • 通知の受信
  • キャッシュを使った読み込み高速化
  • Progressive Web Apps(PWA)の中核技術

ブラウザ内にスクリプトとして常駐し、バックグラウンドで様々な処理を行います。


なぜストレージが肥大化するのか?

ServiceWorkerは、各Webサイトが独立してキャッシュ領域を持つ構造になっています。
そのため、以下のような状況で肥大化が起こります:

  • 動画や画像が頻繁にキャッシュされる
  • サイト運営側がキャッシュの制御を怠っている
  • PWA対応サイトが多用されている

このキャッシュは通常、ユーザーの見えない場所に保存されており、気づかぬうちに数十GB〜200GB以上になるケースもあります。


実際に確認してみる

Chromeには以下の内部ページがあります:

  • chrome://quota-internals/
     → ストレージ使用状況の確認
  • chrome://serviceworker-internals/
     → 登録済みのServiceWorkerを表示・削除可能
  • chrome://settings/siteData
     → サイトごとの保存データを確認・削除 は現在の方法は下記の通り。

サイトごとのストレージ容量を確認する方法(現在のChrome)

  1. Chromeで chrome://settings を開く
  2. 左メニューから「プライバシーとセキュリティ」→「サイトの設定」へ進む
  3. 「すべてのサイトに保存されている権限とデータを表示」へ
  4. 各サイトごとのストレージ使用量や権限の管理が可能

ここから、どのサイトがどれだけ容量を消費しているかを特定できます。


問題になりやすいサイトの傾向

以下のようなサイトは特に要注意です:

  • 動画配信サービス(Web版)
  • オンライン教材/電子書籍サービス
  • 業務系のWebアプリ(チャット、会計システムなど)
  • 広告スクリプトが多い大手ニュースメディア

一部のサイトはユーザーのストレージ上限ギリギリまでキャッシュする設計になっていることもあります。


肥大化を防ぐ・解消する方法

一時的な解決策

  • chrome://settings/siteDataから手動で不要なキャッシュを削除
  • chrome://serviceworker-internals/で登録済みワーカーを「unregister」して無効化

恒久的な対策

  • 定期的にChromeの「閲覧履歴とキャッシュ」をクリアする
  • 拡張機能でキャッシュを制御(例:「Clear Cache」「Cache Cleaner」など)
  • PWA機能を使わない人は「アプリとしてインストールしない」

キャッシュ肥大化による弊害

  • ストレージ容量の逼迫(特にSSD搭載ノートPCで深刻)
  • システムバックアップの容量増加
  • ファイル保存時の空き容量不足
  • Chromeの動作が重くなる、クラッシュすることも

**気づいたら空き容量がゼロ近くに…**ということもあり得ます。


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本記事の内容は筆者の調査と知見に基づくものであり、一般的な情報提供を目的としています。
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