2025年6月時点の価格.com「CPU売れ筋ランキング」から、最新の市場トレンドを分析すると、パソコン自作ユーザーやアップグレード検討者の選択に、はっきりとした傾向が見えてきました。
■ 圧倒的な支持を集めるAMD
ランキング上位12製品中、なんと10製品がAMD製。とくにRyzen 7・Ryzen 9シリーズが多数を占めており、ミドルからハイエンド帯のユーザーに強く支持されていることがわかります。
Ryzen 7 9800X3Dが1位、7800X3Dが3位と、いずれも「3D V-Cache」搭載のゲーミング特化モデルが人気を集めており、ゲーム用途を重視するユーザー層からの厚い信頼がうかがえます。
一方で、旧世代のRyzen 5 5600XTやRyzen 7 5700XといったAM4プラットフォーム対応モデルも、値下がりを背景にランキング上位に食い込んでおり、「コスパの王道」として根強い人気を保っています。
■ 旧世代CPUも再評価 コスト重視ユーザーに人気
意外にも目立つのが、Ryzen 5やRyzen 7の旧世代モデル。Ryzen 7 5700X や Ryzen 5 5600XT など、数年前のアーキテクチャを採用したCPUがランキング上位にランクインしています。
これらの製品は、現行世代に比べて価格が抑えられており、それでいて実用的な性能を確保できる点が高評価につながっていると考えられます。既存のAM4マザーボードをそのまま活用したいユーザー層にも支持されており、今なお一定のニーズが存在することを示しています。
■ Intel勢は苦戦、それでも一部モデルに光
Intel製CPUは12位中わずか2モデルとやや寂しい結果に。しかし、AI支援処理が可能な新ブランド「Core Ultra」シリーズの265Kは4位にランクイン。
また、ミドルレンジのゲーム用途として人気のCore i5 14600KFも12位にランクインしており、一定の用途や予算に応じた選択肢として健闘している姿が見られます。
■ 人気の価格帯は3万〜4万円台
ランキングに並んだCPUの価格帯を見ると、3万~4万円台に最も多くのモデルが集中。高性能なゲーミング向けCPUと、旧世代のコストパフォーマンスモデルが競り合う構図となっており、用途に応じて選べるラインアップが揃っていることもユーザーにとって魅力的です。
■ 総評:ゲームとコスパの両輪でAMDがトップを独走
今回のランキングからは、ゲーミング性能に特化した最新モデルと、激安化した旧世代CPUの二極化した需要が浮かび上がります。いずれにも強みを持つAMDがこの状況を巧みに押さえており、結果として圧倒的なシェアを獲得していると言えるでしょう。
今後、IntelのUltraシリーズがどこまで追い上げを見せるか。そしてAMDがさらにコスパと性能の両面で新モデルを投入してくるのか。2025年後半の動向にも注目です。